西新宿セルフライフ内科クリニック

患者さんから教えてもらった言葉

患者さんから教えてもらった言葉

こんにちは、西新宿セルフライフ内科クリニックの看護師 平田です。

看護師として8年間働く中で、患者さんからいただいた言葉の中には、今でもふとした瞬間に思い出すものがいくつかあります。今回は、その中でも特に印象に残っている、新卒時代のある一言についてお話ししたいと思います。

「こんなこともするんだね、知らなかった」

新卒の頃、術後の患者さんの清拭を担当させていただいたことがありました。身体を拭き終えた後、その患者さんが「看護師さんはこんなこともしてくれるんだね、知らなかった。ありがとう」とおっしゃったのです。

当時の私にとって清拭は、日々の業務の一つに過ぎませんでした。手順通りに、丁寧に、けれど淡々とこなす作業。そこに特別な意味を見出していたわけではなかったように思います。ですが、その一言をいただいた瞬間、自分がしている仕事の意味を、あらためて考えさせられました。「知らなかった」という言葉の裏には、「看護師の仕事はもっと違うものだと思っていた」という驚きが込められていたのだと思います。

この言葉が教えてくれたこと

「看護師さん」と聞くと、多くの方が採血や注射、点滴の管理といった医療行為を思い浮かべるかもしれません。実際、看護師を目指す学生さんの多くも、そうした処置に憧れて入職することが多いように感じます。

ですが実際には、清拭や入浴介助、食事や着替えのお手伝いといった、生活そのものを支える行為も、看護師の大切な役割の一つです。

◾️身体を拭き、清潔を保つことで感染を防ぎ、回復を助ける清拭

◾️一人では入浴が難しい方をサポートする入浴介助

◾️食事や移動など、日常生活の動作を支える介助

◾️体位を変えたり、身の回りを整えたりする細やかな気配り

こうした行為は、注射や採血のように目に見えて分かりやすいものではないかもしれません。専門的な機器を使うわけでも、資格の必要性が強調されるわけでもない、地味な作業に見えることもあると思います。ですが、患者さんの回復や、その方らしい生活を取り戻すうえで欠かせないものです。あの日の「知らなかった」という一言は、こうした看護師の役割そのものが、患者さんご本人にも十分には知られていないという現実を、私に教えてくれました。

「当たり前」の中にある意味

あの経験をきっかけに、私は日々の業務を少し違った目で見るようになりました。清拭一つとっても、ただ身体を拭くだけではなく、「今日は顔色がいいな」「昨日より動きがスムーズになったな」と、患者さんの様子を細かく観察する時間でもあります。会話を交わしながら手を動かす中で、言葉にはならない不安や、逆に前向きな気持ちの変化に気づくこともあります。

こうした時間は、医療行為そのものとは少し違うかもしれません。ですが、患者さんにとっては「気にかけてもらえている」と感じられる、大切な時間なのだと思うようになりました。当たり前だと思っていた業務の中にこそ、実は大きな意味が隠れているのだと、あの一言が教えてくれたように思います。

「ありがとう」の言葉に支えられて

振り返ってみると、患者さんからいただく「ありがとう」という言葉には、いつも新しい気づきが含まれているように思います。特別なことをしたつもりがなくても、その方にとっては大きな意味を持っていたのだと知ることで、自分の仕事の一つひとつを、あらためて丁寧に見つめ直すきっかけになります。

新卒のあの日の一言がなければ、私は今も、清拭や介助を「当たり前の業務」としてしか捉えられていなかったかもしれません。患者さんの何気ない一言が、看護師としての姿勢そのものを形づくってくれることがあるのだと、あの経験を通じて実感しました。

8年目になった今でも、後輩の看護師さんに仕事を教える際には、このエピソードを話すことがあります。処置の手順や技術と同じくらい、「なぜその行為が必要なのか」「患者さんにとってどんな意味を持つのか」を伝えることが、看護師としての土台をつくるうえで大切だと感じているからです。

これからも、言葉に耳を傾けながら

患者さんからいただく言葉は、時に医療の教科書には載っていない、大切な気づきを与えてくれます。何気ない一言の中に、私たちが見落としていた視点や、忘れかけていた初心が隠れていることも少なくありません。

これからも、そうした一言一言を丁寧に受け止めながら、皆さまに寄り添った看護をしていきたいと思っています。日々の中で感じていることや、ちょっとした疑問がございましたら、どうぞお気軽にお声がけください。

西新宿セルフライフ内科クリニック

看護師 平田

ご予約はこちら