西新宿セルフライフ内科クリニック

【医師解説】慢性腎臓病の初期症状とステージ分類の特徴とは?

【医師解説】慢性腎臓病の初期症状とステージ分類の特徴とは?

こんにちは、西新宿セルフライフ内科クリニック院長の橋本将吉(ハシモトマサヨシ)です。

現代社会を生きる私たちは、日々の忙しさから自分の身体のケアを後回しにしがちです。「最近なんだか疲れが取れないな」「夕方になると足がむくむな」と感じても、それを「寝不足のせい」や「年齢のせい」にして片付けてしまっていませんか?

実は、そうした日常のありふれた不調の背後に、静かに進行する「慢性腎臓病」という病気が隠れているケースが少なくありません。
医療の現場にいると、慢性腎臓病に対して多くの方が「誤解」をしていることに気づかされます。
それは「腎臓が悪くなったら、すぐに激しい痛みが出たり、尿が出なくなったりするはずだ」という思い込みです。

確かに、薬の副作用やひどい脱水などがきっかけで、数日間のうちに急激に腎臓が動かなくなってしまう「急性腎不全」のような特殊なケースであれば、急に尿が出なくなったり激しい吐き気に襲われたりといった、目に見えて激しい体調の変化が起きます。
しかし、一般的な慢性腎臓病は、何年もかけて信じられないほど静かに進行していくのが特徴です。そのため、初期の段階では自覚できる症状が本当に何もありません。

「どこも痛くないし、毎日尿が出ているから、私の腎臓は健康そのものだ」と信じ切っている方こそ注意が必要です。
実は「尿がしっかり出ている」ように見えても、それは腎臓が老廃物を濾過(ろか)した後の「ただの水分(薄い尿)」を垂れ流しているだけという状態のこともあるのです。

このように、目に見えるトラブルがないから大丈夫という誤解を放置してしまうと、気づいたときには病気がかなり深刻な段階にまで進んでしまっているという事態を招きかねません。では、自覚症状の乏しいこの病気は、一体どのようなメカニズムで発生するのでしょうか。
今回は、その部分について詳しく解説していきたいと思います。

そもそも慢性腎臓病とは?

そもそも慢性腎臓病とは、数ヶ月から数年にわたり、腎臓の働きが徐々に低下していく病気の総称です。このとき、身体の内部では生命の維持に欠かせない「細い血管の破壊」が起きています。

腎臓の内部には、血液をろ過して尿を作る「糸球体(しきゅうたい)」という組織があります。ここは非常に細い血管が毛糸の玉のように丸まってフィルターの役割を果たしている、デリケートな毛細血管の塊です。

しかし、不摂生な生活習慣が続くと、この大切な血管に過度な負担がかかり始めます。
例えば、高血圧によって常に強い圧力が加わったり、高血糖によって血管の内壁が傷ついたりすることが主な原因です。
ダメージを受けた血管は次第に硬くなり(動脈硬化)、フィルターの網目が詰まったり破れたりしてしまいます。

これが、慢性腎臓病が進行する根本的な原因です。
一度壊れてしまった腎臓の血管は、元通りに再生することが難しい「不可逆的な変化」を伴うため、早い段階で悪化の原因を取り除くことが不可欠となります。そして、この血管フィルターの壊れ具合や、その結果として現れる心身のトラブルの度合いを分かりやすく整理したものが、次に解説する「ステージ分類」という指標です。

慢性腎臓病の「ステージ分類」とは?

慢性腎臓病の進行度合いは、血管フィルターが1分間にどれだけ血液をきれいにできるかという能力(GFR値)と、尿に漏れ出るタンパク質の量によって、ステージ1からステージ5までの段階に分類されます。

それぞれのステージにおける体内の特徴と、身体が出し始める症状のサインを詳しく見ていきましょう。

ステージ1:腎機能は正常だが、腎臓に傷がある状態

血液をきれいにするフィルター機能は90%以上と十分に保たれていますが、尿検査で「蛋白尿」という本来は体内に残るべき栄養が漏れている異常が見つかる段階です。
周りの正常な血管たちが必死にカバーしてくれているおかげでだるさなどの自覚症状はまったくなく、自分で気づくことは、ほぼ不可能です。
そのため、この最初の段階で異変をキャッチするには、年に1回の健康診断などの尿検査が唯一のきっかけとなります。

ステージ2:腎機能が軽度に低下している状態

フィルターの機能が60〜89%にまで落ち込み、日々の生活習慣によるダメージが少しずつ腎臓に溜まり始めて黄色信号が灯っている状態です。
まだ腎臓が踏ん張ってくれているため目立った体調不良は起きませんが、内部では少しずつ機能の低下が進んでいます。
ただし、この段階になると人によっては「おしっこの泡立ちがなかなか消えない」といった、目で見てわかる微かな尿の変化がサインとして出始めることがあります。

ステージ3:腎機能が中等度に低下している状態

フィルターの機能が30〜59%にまで落ち込み、お掃除機能の低下が明確になる段階です。血管フィルターの破壊が半分近くまで進むと、いよいよ身体が以下のような具体的なSOSサイン(症状)を出し始めます。
①尿の変化(消えない泡)

腎臓の血管フィルターが壊れ、身体に必要な栄養分である「タンパク質」がおしっこに漏れ出すため、細かく消えにくい泡が立ちます。

②夜間の頻尿

尿をギューッと濃縮する力が衰えるため、夜間に薄い尿が大量に作られ、何度もトイレに起きるようになります。

③血圧の上昇

腎臓が血圧の司令塔としての役割を果たせなくなり、血圧が上がります。この高血圧がさらに血管を痛めつけ、病気を悪化させる悪循環の原因となります。

④むくみや倦怠感

本来捨てるべき余分な水分が足の細胞に溜まって靴がきつくなったり、有害な老廃物(尿毒素)が血液に溜まることで、インフルエンザのときのような強烈なだるさの症状が現れます。

ステージ4:腎機能が高度に低下している状態

血液をきれいにするフィルター機能が15〜29%にまで落ち込んでしまい、腎臓の働きがいよいよ限界に近づいているステージです。血液を作る手助けができなくなって貧血が進んだり骨がもろくなったりするほか、体内の水分をうまく排出できなくなるため、足や顔の強いむくみ、激しいだるさといったつらい症状がはっきりと現れ始めます。

ステージ5:腎不全(生命の維持が危機的な状態)

フィルター機能が15%未満となり、もはや腎臓が自力で血液をきれいにすることができなくなってしまった最終ステージです。
体内に老廃物や毒素が溜まり続けるため、何もしないと命を維持することが極めて難しい、非常に危険な状態に陥ってしまいます。この段階に至ると、動かなくなった腎臓の代わりとして、血液透析や腹膜透析、あるいは腎移植といった専門的な治療が必要になります。

このように、ステージが進むにつれて血管の破壊と全身の症状は深刻さを増していきます。だからこそ、私たちは一刻も早く病気の存在に気づかなければなりません。

最後に

慢性腎臓病で「早期発見」が何よりも大切な理由は、一度失われた腎臓の機能は二度と元には戻らないからです。
腎臓はとても我慢強い臓器であるため、自覚症状が現れる頃にはすでに限界を迎えていることがほとんどです。

だからこそ、症状のない初期段階で発見できれば、生活習慣の改善や適切な治療によってその後の悪化をしっかりと食い止めることができます。

この病気を防ぐ最大の武器は特効薬ではなく、私たちの「日々の生活習慣の積み重ね」にほかなりません。「尿の変化」や「抜けないだるさ」といった微かなサインを年齢のせいにせず、健康診断を毎年受けてリスクを早めに見直すことこそが、あなたの未来と健やかな毎日を守る手段となります。

西新宿セルフライフ内科クリニックは、「すべての世代が安心して生活できる人生」の実現を目指し、日常に寄り添う医療を提供しています。

私たちが大切にしているのは、「把握・体験・納得」が1日で完結する医療です。

① 把握

まず大切なのは、「今の自分の状態を正しく知ること」です。

当院では、血液検査やX線検査をはじめとした7種類の検査を実施しており、最短10分で結果をご確認いただけます。

忙しい毎日の中でも、その日のうちにご自身の体の状態を把握し、必要な対応につなげられる環境を整えています。

② 体験

医療を受ける時間そのものも、できるだけ負担の少ないものでありたいと考えています。

そのため当院では予約制を導入し、待ち時間を最小限に抑えています。

また、事前決済にも対応しているため、会計待ちの時間も短縮可能です。

「病院に行くのは大変」「時間がかかる」というストレスを減らし、無駄のないスムーズな医療体験を提供します。

③ 納得

患者様一人ひとりに、大切にしたい生活や価値観があります。

だからこそ当院では、「ただ治療を受ける」のではなく、ご自身が納得しながら選べる医療を大切にしています。

管理栄養士を中心とした医療チームが丁寧に対話を行い、生活背景や日々の過ごし方に合わせた治療設計を一緒に考えていきます。

治療の本当のゴールは、単に数値を改善することではありません。

仕事や家庭、趣味や大切な人との時間を、自分らしく前向きに楽しめる毎日を取り戻すこと。

そして、「ここに来てよかった」と少しでも安心して帰っていただくことです。

診察を終えてクリニックのドアを出るとき、来院前より少しだけ足取りが軽くなり、前向きな気持ちになれる。

西新宿セルフライフ内科クリニックは、そんな皆さまの“身近な相談窓口”でありたいと考えています。

ご予約はこちら