こんにちは、西新宿セルフライフ内科クリニック院長の橋本将吉(ハシモトマサヨシ)です。
毎年、なんとなく受けている健康診断。検査を済ませて「今年も大丈夫だろう」と思いながら結果を待っていたのに、手元に届いた用紙に『腎機能低下の疑い』という見慣れない文字を見つけて、思わず目が止まった——そんな経験をされた方もいるのではないでしょうか。
「いつもと変わらない元気な毎日」を過ごしていたはずなのに、どう受け止めたらいいのか戸惑ってしまいますよね。
手渡された再検査の紙を前にして「どこも悪くないのに、何かの間違いじゃないか」「これから普段の生活はどうなっちゃうんだろう……」と、一人で不安を抱え込んでいる方も少なくないと思います。
この「腎機能低下の疑い」はそのまま放置して悪化させてしまうと、やがて腎機能がどんどん働かなくなる「腎不全」という段階へ進んでしまいます。
確かに、将来的な腎不全のリスクを減らすためには、血圧や血糖値といった身近な数値のコントロールがとても大切になります。
ですが、病院でいきなり「あれもこれも見直してください」と言われると、まるでこれまでの暮らしの楽しみをすべて奪われてしまうかのような、窮屈な気持ちになってしまいますよね。
実際のところ、初期の段階では、身体のだるさや痛みといった分かりやすい症状が本当に何一つ出ないのが腎不全のリアルです。
お腹は普通に減るし、体調が悪いわけでもない。
それなのに「今日から生活を変えてください」と言われても、「どうして?」と戸惑ってしまうのは当然ですし、大切な毎日の楽しみを制限されるようで、ストレスを感じてしまうのも当たり前のことです。
実は、このように「自覚できる症状がないからこそ『危機感を持ってください』と言われても実感が湧かない」という戸惑いこそが、多くの方が最初に直面する壁です。
では、なぜ目に見えるつらい症状がない今、わざわざ生活に手を入れていかなければならないのでしょうか?その明確な原因と、私たちが健康診断の数値から読み取るべき「身体からのSOS」について、ここから詳しく解説していきます。
ぜひ最後までご覧ください!
そもそも「腎不全」とは?知っておきたい身体のメカニズム
私たちの背中側(腰の上あたり)に左右一つずつある腎臓。
その一番の役割とは、24時間体制で休むことなく全身の血液をキレイに掃除し続ける「巨大なフィルター(ろ過装置)」のような存在です。
心臓から送り出された血液は、この腎臓というフィルターを通り、身体に必要なものと、不要な「ゴミ(老廃物)」や「余分な水分」に仕分けられます。
そして、不要なものだけが尿として身体の外へ排泄される仕組みになっています。
しかし、何らかの原因でこのフィルターが傷つき、網目がボロボロになったり目詰まりを起こしたりして、本来の機能が著しく低下してしまうことがあります。
このように、体内のゴミや水分を自力で外に捨てられなくなってしまった状態のことを「腎不全」と呼びます。
この腎不全は、その進み方やスピードによって、大きく以下の2つのタイプに分かれます。
① 急性腎障害(AKI)
脱水症状や特定の薬剤(痛み止めなど)の影響、あるいは急な病気などが引き起こす原因となり、わずか数時間から数日という短期間のうちに、急激に腎臓の働きが低下してしまう状態です。
急性腎障害は、進行を招いた根本的な原因をすぐに見つけ出し、早期に適切な治療を行えば、元の健康な状態まで回復する可能性が十分にあります。
② 慢性腎臓病(CKD)
数ヶ月から数年、さらには何十年という長い時間をかけて、腎臓のフィルターが壊れていってしまう状態です。
残念ながら、一度完全に壊れてしまったフィルターの網目を、元通りのキレイな状態に再生させる医療はまだありません。
そのため、これ以上悪化させて腎不全を進行させないために「いかに今残されている機能を守り、維持していくか」が、これからの生活の質を左右する最大の生命線となります。
自分の腎臓の「今の点数」がわかる!検査数値の正しい見方とは?
では、自分の腎臓が今どれくらい働いてくれているのか、どうすれば分かるのでしょうか? それは、健康診断の血液検査の項目にある「eGFR(推算糸球体ろ過量)」という検査数値を見ることで、明確に把握することができます。
この「eGFR」という数値は、簡単に言うと「あなたの腎臓の点数(100点満点換算)」のようなものです。 例えば、数値が「60」であれば、腎臓のフィルターが本来の60%くらいしか働いていない、という目安になります。
この数値が下がっているということは、それだけ身体の中でフィルターの目詰まりや破壊が静かに進行しているというサインです。
「まだ何の症状もないから大丈夫」と油断してしまいがちですが、この目に見えない数値の低下こそが、将来的に人工透析を必要とする深刻な腎不全へと向かっていく、身体からのSOSなのです。
腎不全を招く「3大原因」となる生活習慣病とは
「腎臓の病気」と聞くと、腎臓そのものが突然病気になるイメージを持つ方が多いですが、実は腎不全になって人工透析が必要になる原因のほとんどは、日々の「生活習慣病」の積み重ねです。
特に腎臓のフィルターを破壊する原因となる、代表的な3つの生活習慣病について解説していきます。
① 糖尿病(糖尿病性腎症)
現在、日本人が人工透析になってしまう原因の第1位が、糖尿病です。
血液中の糖分が多い状態(高血糖)が続くと、全身の血管が傷つけられます。
腎臓は細い毛細血管の塊のような組織ですから、高血糖のダメージを最も受けやすく、結果として腎不全を引き起こす直接の原因となってしまいます。
血糖値の指標である「HbA1c」などの数値を適切にコントロールすることが、最大の予防策です。
② 高血圧(腎硬化症)
血圧が高い状態が続くことも、腎臓の血管を傷つける大きな原因になります。
強い圧力がかかり続けることで、腎臓の細い血管が動脈硬化を起こして硬くなり、血液をろ過できなくなっていきます。
血圧の数値が高い方は、それだけで毎日24時間、腎臓に過度な負担をかけ続けている状態と言えます。高血圧は腎不全を悪化させる重大な原因です。
③ 脂質異常症・肥満
血液中のコレステロールや中性脂肪の数値が高い状態も、血液をドロドロにして腎臓のフィルターに過剰な負担をかける原因になります。
これらが重なることで、腎不全への進行スピードが大きく加速してしまいます。
このように、あらゆる生活習慣病が腎不全を誘発する原因となっているのです。
自覚症状が出にくいからこそ「数値」を見逃さない
これら3つの生活習慣病に共通する最も恐ろしい特徴とは、かなり進行するまで「自覚症状がほとんど出ない」という点です。
腎臓の機能、つまり検査の数値が正常の半分近くまで落ちてしまっても、身体に痛みや症状はほとんどありません。
しかし、数値の悪化を放置してさらに病気のステージが進むと、身体に以下のようなはっきりとした症状が現れ始めます。
尿の異常:泡立ちがなかなか消えない、夜中に何度もトイレに起きるなどの症状。
むくみ(浮腫):体内の塩分や水分を排泄できなくなり、足の甲や顔がパンパンに腫れる症状。
貧血・だるさ:腎臓の機能低下により、強い疲労感や息切れの症状が出る。
尿毒症の症状:行き場をなくした血液のゴミが全身に回り、激しい吐き気、頭痛、皮膚のかゆみなどの重篤な症状を引き起こす。
「まだつらい症状がないから大丈夫」と過信して検査の数値を無視することこそが、気付いた時には人工透析が必要なまで腎不全を悪化させてしまう根本的な原因となってしまうのです。
あらゆる症状が出る前に、いかに早く数値の異変に気づくかが重要です。
我慢ではなく、あなたらしい人生を楽しめる生活設計を
ここまで解説してきましたように、健康診断の結果を「どこも痛くないから」と見過ごすことなく、検査数値のわずかな変化からご自身の正確な体の状態をきちんと把握することが、何よりも大切です。
「まだ自覚症状がないから大丈夫」と放置してしまうことは、将来的に腎不全を悪化させる一番の原因になりかねません。
だからこそ、検査数値でリスクを指摘された段階から、それ以上悪化させないための適切な対策を始めることこそが、腎不全への進行を未然に食い止めるための最も確実で重要なアプローチになります。
不安の原因となる種が小さいうちに、そして検査数値に少しでも不安がある方は、まずは一度、当クリニックにご来院ください。あなたの健やかな未来を、全力でサポートいたします。
西新宿セルフライフ内科クリニックは、「すべての世代が安心して生活できる人生」の実現を目指し、日常に寄り添う医療を提供しています。
私たちが大切にしているのは、「把握・体験・納得」が1日で完結する医療です。
① 把握
まず大切なのは、「今の自分の状態を正しく知ること」です。
当院では、血液検査やX線検査をはじめとした7種類の検査を実施しており、最短10分で結果をご確認いただけます。
忙しい毎日の中でも、その日のうちにご自身の身体の状態を把握し、必要な対応につなげられる環境を整えています。
② 体験
医療を受ける時間そのものも、できるだけ負担の少ないものでありたいと考えています。
そのため当院では予約制を導入し、待ち時間を最小限に抑えています。
また、事前決済にも対応しているため、会計待ちの時間も短縮可能です。
「病院に行くのは大変」「時間がかかる」というストレスを減らし、無駄のないスムーズな医療体験を提供します。
③ 納得
患者様一人ひとりに、大切にしたい生活や価値観があります。
だからこそ当院では、「ただ治療を受ける」のではなく、ご自身が納得しながら選べる医療を大切にしています。
管理栄養士を中心とした医療チームが丁寧に対話を行い、生活背景や日々の過ごし方に合わせた治療設計を一緒に考えていきます。
治療の本当のゴールは、単に数値を改善することではありません。
仕事や家庭、趣味や大切な人との時間を、自分らしく前向きに楽しめる毎日を取り戻すこと。
そして、「ここに来てよかった」と少しでも安心して帰っていただくことです。
診察を終えてクリニックのドアを出るとき、来院前より少しだけ足取りが軽くなり、前向きな気持ちになれる。
西新宿セルフライフ内科クリニックは、そんな皆さまの“身近な相談窓口”でありたいと考えています。
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