こんにちは、西新宿セルフライフ内科クリニック院長の橋本将吉(ハシモトマサヨシ)です。
健康診断の結果が戻ってきて、「コレステロール値や中性脂肪が高い」という判定にヒヤッとした経験はありませんか?
「特に不調や症状もないし、放っておいても大丈夫だろう」とスルーしてしまいそうになりますが、実はその油断は禁物です。
自覚症状がないまま身体の血管を蝕んでいく状態、それが脂質異常症です。
今回は、健康診断で指摘される方も多い脂質異常症について、その原因や診断基準を軸に「数値の正しい見方」と「今日からできる具体的な対策」を分かりやすくお話します!
脂質異常症とは?数値の見方と診断基準
血液の中には、身体を動かすために必要な「脂質」が常に流れています。
脂質の中でも特に重要なのがコレステロールと中性脂肪です。
これらは多すぎても少なすぎても身体に悪影響を与えます。この「多すぎ・少なすぎ」の状態をまとめて脂質異常症と呼びます。
昔は「高脂血症」と呼ばれていましたが、善玉(HDL)コレステロールのように「低すぎても病気のリスクになる」ものがあるため、現在は「脂質異常症」という名前になっています。
脂質異常症の最大の問題は、血液がドロドロになっても「自覚症状がない」ということです。
身体に症状が出ないからといって放置すると、気づかないうちに血管の壁に脂肪の塊がこびりつき、ある日突然、血管が詰まって心筋梗塞や脳梗塞を引き起こします。だからこそ、症状がないうちから数値で管理し、悪化の原因を見つける必要があるのです。
健康診断のシートを開くと、「LDL」「HDL」「TG」といったアルファベットが並んでいますよね。これらが一体何を意味しているのか、日本動脈硬化学会が定めている診断基準をもとにチェックしていきましょう。この診断基準を知ることこそが、対策の第一歩となります。
血液検査で注目すべき項目は、主に以下の3つです。
①LDLコレステロール(悪玉コレステロール)
そもそもコレステロールとは何でしょうか?
コレステロールは「悪者」のように思われがちですが、実は細胞膜・ホルモン(若々しさを保つ成分) などの材料として身体に不可欠な物質です。体内のコレステロールの約8割は肝臓で自ら作られ、残りが食事から補われます。
悪玉コレステロールの役割は、肝臓で作られたコレステロールを「全身の細胞」へ届けることです。なぜ「悪玉」と呼ばれるのかというと、悪玉コレステロールが過剰になると、行き場のないコレステロールが血管壁に侵入・蓄積します。そこで酸化してドロドロした油の塊(プラーク)を作り上げてしまいます。これが動脈硬化の大きな原因となるため「悪玉」と呼ばれますが、適正量であれば身体に必要な物質です。
LDL値の診断基準
正常:120未満(mg/dL)
境界域:120〜139(mg/dL)
高LDLコレステロール血症(異常):140以上(mg/dL)
※この診断基準に関わらず、 糖尿病・心疾患の既往がある方は「100未満」がより厳しい管理目標とされます。
➁HDLコレステロール(善玉)
全身の余ったコレステロールを回収して肝臓に戻す、いわば「血管のお掃除係」です。
血管の壁からプラークの材料を取り除くため、動脈硬化の予防に直接貢献します。
これが少なすぎる状態も、病気のリスクを高める原因となるため、脂質異常症と診断されます。
なぜ少なすぎで脂質異常症となるかというと、善玉コレステロールが少ない状態では血管の掃除機能が低下してしまうからです。結果として悪玉コレステロールが血管の壁に蓄積しやすくなり動脈硬化が進行してしまいます。
身体に症状は現れませんが、体内ではリスクが進んでいるのです。
HDL値の診断基準
正常:40以上(mg/dL)
低HDLコレステロール血症(異常):40未満(mg/dL)
③トリグリセライド(中性脂肪)
食事から摂った糖質・脂質のうち、すぐに使われなかったエネルギーは中性脂肪として脂肪細胞に蓄えられます。運動時のエネルギー源として使われる「身体の燃料タンク」のような存在です。
中性脂肪が血液中に増えすぎると、 悪玉コレステロールを増やし、善玉コレステロールを減らすという悪循環の原因を作ってしまうのです。
中性脂肪値(TG値)の診断基準
正常:150未満(mg/dL)
境界域:150~199(mg/dL)
高トリグリセライド血症(異常) :150以上(空腹時)/175以上(随時)
ご自身の健康診断の結果はいかがでしたか?
もし上記の診断基準に引っかかっている項目があれば、身体に目立った症状がなくても、すでに血管へのストレスが始まっているサインです。この段階で異常の原因を見つけることが重要です。
脂質異常症の具体的な対策
数値が診断基準を超えていたからといって、すぐに絶望する必要はありません。
脂質異常症は、生活習慣が大きな原因となっている病気だからこそ、日々の行動を見直すことで、数値は確実に改善へと向かいます。
目立つ症状が現れていないうちに、数値悪化の原因を根本から解消していきましょう。 今すぐ始められる3つのアプローチを伝授します!
① 食事の引き算と足し算
最も即効性があり、重要な対策が食事の改善です。食生活の乱れは数値上昇の直接的な原因になります。
・「飽和脂肪酸」を控える(引き算)
飽和脂肪酸とは、脂質を構成する脂肪酸の一種で、主に肉や乳製品などの動物性脂肪に多く含まれる成分です。
バター、ラード、肉の脂身、インスタントラーメンなどは、LDLコレステロールを急上昇させる原因になります。
・「食物繊維」と「魚の油」を摂る(足し算)
野菜やキノコ、海藻に含まれる水溶性食物繊維は、コレステロールを体外へ排出してくれます。また、サバやイワシなどの青魚に含まれるEPA・DHAは、中性脂肪を減らし、血液をサラサラにする効果があります。
② 有酸素運動を習慣にする
運動は、特に中性脂肪を減らし、善玉(HDL)コレステロールを増やすために効果的です。
激しい筋トレを毎日行う必要はありません。
週に合計150分以上を目安に、ウォーキング、水泳、サイクリングなどの「じんわり汗をかく程度の有酸素運動」を続けましょう。1回20〜30分のウォーキングを週に3〜5回行うだけでも、脂質の代謝が活性化し、根本的な原因の解消につながります。
③ 体重管理と禁煙
肥満(特に内臓脂肪型肥満)は、それ自体が脂質異常症の引き金となります。
身体に不調の症状が出なくても、内臓脂肪は数値を悪化させる原因となります。
適正体重(BMI 22前後)を目指して、緩やかに減量を行いましょう。
また、喫煙は善玉コレステロールを減少させ、動脈硬化を急激に進行させる原因となります。数値を下げる努力をしていても、タバコを吸っていては効果が半減してしまうことがありますので、禁煙も立派な治療・対策の一環です。
最後に
健康診断で「コレステロールや中性脂肪が高い」と言われた時は、ショックを受けるかもしれません。
しかし、見方を変えれば、これは身体に大きな症状が出る前の生活を見直すチャンスでもあります。
今回ご紹介した診断基準を参考に、まずは自分の数値を把握することから始めましょう。
そして、乱れた食生活や運動不足といった、数値の悪化を引き起こしている根本的な原因を一つずつ取り除くようにしていきましょう。
脂質異常症は、早く気づいて正しくコントロールすれば、決して怖いものではありません。
今日から始める小さな一歩が、5年後、10年後のあなたの健康な血管と、生き生きとした毎日を作ります。
西新宿セルフライフ内科クリニックは、「すべての世代が安心して生活できる人生」の実現を目指し、日常に寄り添う医療を提供しています。
私たちが大切にしているのは、「把握・体験・納得」が1日で完結する医療です。
① 把握
まず大切なのは、「今の自分の状態を正しく知ること」です。
当院では、血液検査やX線検査をはじめとした7種類の検査を実施しており、最短10分で結果をご確認いただけます。
忙しい毎日の中でも、その日のうちにご自身の体の状態を把握し、必要な対応につなげられる環境を整えています。
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医療を受ける時間そのものも、できるだけ負担の少ないものでありたいと考えています。
そのため当院では予約制を導入し、待ち時間を最小限に抑えています。
また、事前決済にも対応しているため、会計待ちの時間も短縮可能です。
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だからこそ当院では、「ただ治療を受ける」のではなく、ご自身が納得しながら選べる医療を大切にしています。
管理栄養士を中心とした医療チームが丁寧に対話を行い、生活背景や日々の過ごし方に合わせた治療設計を一緒に考えていきます。
治療の本当のゴールは、単に数値を改善することではありません。
仕事や家庭、趣味や大切な人との時間を、自分らしく前向きに楽しめる毎日を取り戻すこと。
そして、「ここに来てよかった」と少しでも安心して帰っていただくことです。
診察を終えてクリニックのドアを出るとき、来院前より少しだけ足取りが軽くなり、前向きな気持ちになれる。
西新宿セルフライフ内科クリニックは、そんな皆さまの“身近な相談窓口”でありたいと考えています。
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