西新宿セルフライフ内科クリニック

ペットボトル症候群とは?原因・症状・対策・予防法をわかりやすく解説【西新宿セルフライフ内科クリニック】

ペットボトル症候群とは?原因・症状・対策・予防法をわかりやすく解説【西新宿セルフライフ内科クリニック】

こんにちは、西新宿セルフライフ内科クリニック看護師の平田です。

暑い季節になると、喉の渇きを感じて清涼飲料水やスポーツドリンクをごくごく飲んでしまう、という方は多いのではないでしょうか。実はその習慣、「ペットボトル症候群」と呼ばれる状態を引き起こすことがあります。今回は、看護師の視点から、ペットボトル症候群の原因や症状、対策・予防法についてわかりやすくお伝えします。

ペットボトル症候群とはどんな病気?

ペットボトル症候群は、正式には「清涼飲料水ケトーシス」や「ソフトドリンクケトーシス」とも呼ばれる状態です。病名に「ペットボトル」とついていますが、これは特定の病気の名前というより、糖分の多い清涼飲料水を大量に飲み続けることで起こる急性の高血糖状態を指す通称です。

清涼飲料水やスポーツドリンク、缶コーヒー、ジュースなどには、想像以上に多くの糖分が含まれています。500mlのペットボトル1本に、角砂糖10個分以上の糖分が入っている商品も珍しくありません。これを喉の渇きに任せて何本も飲んでしまうと、血液中の糖分濃度がぐんぐん上昇してしまうのです。

なぜ起こる?ペットボトル症候群の原因

ペットボトル症候群が起こる仕組みは、次のような悪循環にあります。

1. 糖分の多い飲み物を大量に飲む

2. 血糖値が急上昇する

3. 血糖値を下げようと体が水分を尿として排出し、脱水が進む

4. 脱水によってさらに喉が渇く

5. また糖分の多い飲み物を飲んでしまう

この流れが繰り返されることで、血糖値がどんどん上昇し、重症化すると「糖尿病性ケトアシドーシス」という、意識障害を伴う危険な状態に陥ることもあります。特に、まだ糖尿病と診断されていない方が、急激にこの状態になってしまうケースもあるため注意が必要です。

ペットボトル症候群になりやすい人の特徴

以下のような方は、ペットボトル症候群のリスクが高いといわれています。

■糖尿病の家族歴がある方、または健診で血糖値を指摘されたことがある方

■肥満気味の方

■日頃から清涼飲料水やジュースをよく飲む習慣がある方

■屋外での作業やスポーツなど、汗をかく機会が多い方

■働き盛りの世代で、忙しさから食生活が不規則になりがちな方

特に夏場は汗をたくさんかくため、「喉が渇いたから」という理由で無意識のうちに糖分の多い飲み物を選んでしまいがちです。ご自身では健康に自信がある方ほど油断しやすいポイントでもあります。

ペットボトル症候群への対策

もし喉の異常な渇きや、体のだるさ、吐き気、頻尿といった症状が続く場合は、我慢せずに早めに医療機関を受診しましょう。血糖値の状態を確認し、必要な検査を受けることが安心につながります。

日常生活でできる対策としては、次のようなことが挙げられます。

■喉が渇いたときは、糖分の入っていない水やお茶を選ぶ

■清涼飲料水を飲む場合は、成分表示で糖質の量を確認する習慣をつける

■一気飲みを避け、こまめに水分を補給する

■甘い飲み物を「ご褒美」として量を決めて楽しむ

「ゼロカロリー」や「低糖質」と表示された商品を上手に活用するのもひとつの方法です。ただし、これらも飲み過ぎには変わりありませんので、あくまで水やお茶を基本にすることをおすすめします。

予防のためにできる小さな心がけ

ペットボトル症候群を予防するうえで大切なのは、「喉が渇いてから飲む」のではなく、「こまめに水分補給をする」という習慣です。特に暑い時期は、起床時、食事の前後、就寝前など、生活の節目で水分を摂る習慣をつけておくと、極端な喉の渇きを感じにくくなります。

また、日頃から適度な運動やバランスの取れた食事を心がけることも、血糖値を安定させるうえで役立ちます。健診で血糖値を指摘されたことがある方は、自己判断せず、定期的に医療機関でチェックを受けることも大切な予防策のひとつです。

おわりに

夏はどうしても、水分補給の場面が多くなる季節です。汗をかけばかくほど「早く喉の渇きを潤したい」という気持ちが強くなりますよね。ですが、そのときに何をどう飲むかによって、身体への影響がこんなにも変わってくるということを、今回のコラムを通してお伝えしたいと思いました。

特に気をつけていただきたいのは、健診などで血糖値の高さを指摘されたことがある方です。すでに糖尿病がある方は、清涼飲料水の飲み過ぎによって高血糖のリスクがさらに高まってしまいます。そして、今は数値に問題がないという方も油断はできません。血糖値が急激に上がることは、正常な方の身体にとっても決して良い影響ばかりではないのです。

私自身、看護師として日々多くの方と接するなかで感じるのは、病気の原因が特別な出来事ではなく、こうした何気ない日常生活の行動の積み重ねの中に潜んでいる、ということです。「喉が渇いたから、とりあえず甘い飲み物を選ぶ」その小さな習慣の一つひとつが、知らないうちに身体へ負担をかけていることがあります。

だからこそ、まずは知ることから始めてみましょう。ご自身の普段の水分補給の仕方を振り返り、少しでも身体にやさしい選択を意識してみることが、ご自身を大切にする第一歩になると私は思っています。今回のコラムが、みなさまが日々の生活やご自身の身体に目を向けるきっかけになれば嬉しいです。

体調に少しでも不安を感じたときは、無理をせず早めにご相談くださいね。

西新宿セルフライフ内科クリニック

看護師 平田

ご予約はこちら