
こんにちは、西新宿セルフライフ内科クリニック院長の橋本将吉(ハシモトマサヨシ)です。
突然ですが皆さまは、「食事制限も運動もして健康に気をつけているけど、健康診断の数値がなかなか改善しない」ということはありませんか?
多くの方は、生活習慣病の原因を「食べ過ぎ」や「運動不足」だけだと考えてしまいがちです。しかし実は、仕事や日常生活で感じる「ストレス」も、生活習慣病を引き起こす見過ごせない原因のひとつであることが分かっています。
今回は、ストレスとはそもそも身体にどのような影響を与えるのか、そしてストレスが生活習慣病の原因になる仕組みについて詳しく解説します。「ストレスとは何か」を正しく理解することが、効果的な予防の第一歩になります。ぜひ最後までご覧ください!
生活習慣病とは?ストレスも原因のひとつになる理由
まず、生活習慣病とはどのような病気を指すのか、基本的なところから見ていきましょう。
生活習慣病とは、食事、運動、飲酒、喫煙、睡眠といった日々の生活習慣が発症や進行に深く関わっている病気の総称です。高血圧、糖尿病、脂質異常症、脂肪肝などが、代表的な生活習慣病として挙げられます。
これらの生活習慣病の原因というと、多くの方は食事の内容や運動量をまず思い浮かべますが、実はストレスも、これらの病気に共通する原因として関わっています。
私たちの身体は、ストレスを感じると、それを「身体的な危機」だと捉え、身を守るための反応を起こします。具体的には、副腎から「コルチゾール」や「アドレナリン」といったストレスホルモンが分泌され、血糖値や血圧を上昇させる働きが生じます。本来この仕組みは、身の危険が迫ったときに、瞬時にエネルギーを使えるようにするための、身体に備わった防御反応です。
しかし、現代の働く世代が感じるストレスの多くは、実際に身体を動かして解消される種類のものではありません。会議でのプレッシャーや、人間関係の悩みといった精神的なストレスに対しても、身体は同じようにストレスホルモンを分泌し、血糖値や血圧を上げてしまうのです。
つまり、生活習慣病とは、食事や運動といった分かりやすい原因だけでなく、目に見えにくいストレスという原因によっても引き起こされる可能性がある病気だといえます。予防とは、この見えにくい原因にも目を向けることから始まります。
ストレスが引き起こす、生活習慣病の具体的な原因
では次に、ストレスが具体的にどのような形で、生活習慣病の原因になっているのかを見ていきましょう。
① 血糖値を上げる原因になる
ストレスホルモンには、血糖値を下げる働きを持つ「インスリン」の作用を妨げる働きがあります。インスリンの効きが悪くなると、食事で摂った糖が細胞にうまく取り込まれず、血液中に留まり続けるため、血糖値が下がりにくくなります。この状態が慢性的に続くことは、糖尿病という生活習慣病の原因になります。
② 血圧を上げる原因になる
ストレスを感じると血管が収縮し、心臓もより強い力で血液を送り出そうとするため、血圧が上昇します。ストレスを受ける場面が日常的に続くと、血圧が高い状態が繰り返され、これが高血圧という生活習慣病の原因になっていきます。
③ 過食や飲酒を招く原因になる
ストレスを感じると、その解消のために、甘いものや高カロリーな食事、アルコールを摂る機会が増える方も少なくありません。この過食や過度な飲酒は、脂質異常症や脂肪肝といった生活習慣病の原因になります。
④ 睡眠の質を下げる原因になる
ストレスによって交感神経が優位な状態が続くと、夜になっても心身がリラックスしにくくなり、睡眠の質が低下します。睡眠不足や睡眠の質の低下は、血糖値や血圧のコントロールを乱す原因となり、さらに生活習慣病のリスクを高めてしまいます。
このように、ストレスは単独で生活習慣病の原因になるだけでなく、過食や飲酒、睡眠の質の低下といった、他の生活習慣の乱れを引き起こす原因にもなり、複数の経路から生活習慣病のリスクを高めてしまうのです。
ストレスと生活習慣病を結ぶもうひとつの経路
ストレスと生活習慣病をつなぐルートは、これまでにお伝えした「血糖値・血圧・過食や飲酒・睡眠」の4つだけではありません。
実は、あまり知られていない、もうひとつの隠れた経路が存在します。それが「慢性的な軽い炎症」と「腸内環境の乱れ」です。
ストレスが長期間続くと、体内では「炎症性サイトカイン」と呼ばれる、炎症を引き起こす小さなタンパク質の分泌が増えることが分かっています。これは、ケガをしたときに患部が腫れるような、目に見える炎症とは異なり、血管の内側や脂肪組織など、身体の内部で静かに進行する、自覚できない炎症です。この慢性的な軽い炎症は、血管の壁を傷つけて動脈硬化を進めるだけでなく、インスリンの働きを妨げる原因にもなることが分かっています。
さらに近年の研究では、ストレスが腸内環境にも影響を与え、食欲をコントロールするホルモンのバランスを乱すことで、過食を招きやすくすることも指摘されています。脳と腸は自律神経を通じて密接に情報をやり取りしており、ストレスによって腸の状態が乱れると、その情報が脳に伝わり、食欲のコントロールがさらに難しくなるという仕組みです。
つまり、ストレスは「ホルモンを介して血糖値や血圧を上げる」という分かりやすい経路だけでなく、「炎症を介して血管や代謝の働きを徐々に悪くする経路」、そして「腸内環境を介して食欲のコントロールを難しくする経路」という、2つの目に見えない経路からも、生活習慣病の原因になっているのです。
このように、ストレスと生活習慣病の関係は、単に「ストレスで暴飲暴食してしまう」という行動面の話にとどまらず、炎症や腸内環境といった、身体の内部で静かに進行する仕組みによっても結びついています。だからこそ、生活習慣病の予防を考える際には、目に見える行動の変化だけでなく、こうした身体の内側の変化にも目を向けることが大切です。
まとめ
生活習慣病とは、食事や運動といった生活習慣だけでなく、ストレスという目に見えにくい原因によっても引き起こされる病気です。予防を考えるうえでは、この見えにくい原因の存在を忘れないことが大切です。ストレスは、血糖値や血圧を直接上昇させるだけでなく、過食や飲酒、睡眠の質の低下といった、別の原因を引き起こすことで、生活習慣病のリスクを何重にも高めてしまいます。
「食事や運動に気をつけているのに、健康診断の数値が改善しない」「仕事のストレスが続いていて、生活習慣病の予防に不安がある」という場合は、予防とは何から始めるべきかも含めて、一人で抱え込まずに、まずは西新宿セルフライフ内科クリニックまでご相談ください。
西新宿セルフライフ内科クリニックは、「すべての世代が安心して生活できる人生」の実現を目指し、日常に寄り添う医療を提供しています。
私たちが大切にしているのは、「把握・体験・納得」が1日で完結する医療です。
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